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ゆしま
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    少し前の話になるのだけど、熱海に行ってきました。

    僕は時々熱海に行くのです。一人で行くこともあれば誰かと行くこともあります。

    熱海は温泉と海があって他には何もない町で、あのちょっと寂れた温泉街はいるだけで、なんとなく落ち着くのです。そうそう猫も結構多いです。

    前回行ったのは九月の初め頃で、一人で行きました。一人で温泉に入って、ビールを飲んで、見知らぬ人と話してきました。

    ゆしま。

    平仮名で『ゆしま』という名前の店で、カウンターとテーブルが一つだけのとても小さなジャズ喫茶があります。熱海で唯一のジャズ喫茶だそうです。

    僕がその店を知ったきっかけは、街中を歩いていたときに、たまたまジャズが聞こえてきて、近寄ってみたらそこにあったのです。
    しかもわりと入り組んだ場所にあって、もしかしたら出会わなかった可能性も高かったと思う。

    僕は一旦店の前で立ち止まり、中の様子を伺いました。だけど、店の中は暗くてよくわからなかったので、一旦通り過ぎました。
    ああいう小さなお店は常連が多そうでなかなか初めての時は入りづらい雰囲気があるんですよね。なんと言ったらいいのかな、一種の威圧感みたいなものかな。あと外観が可愛いのだけど、変わった感じで少し月印に近いものがあるかもしれない。

    1度ホテルに戻り、やっぱりどうしても気になってもう一度行ってみたのです。

    お店のドアを開けると、お客さんは一人もいなくて、ジャズが大音量で鳴っていて、奥の方の椅子に小さな女性が座っていました。

    メニューはなく、コーヒー、紅茶、ビールだけ。僕は初めだけコーヒーを注文し、あとはずっとビールを頼みました。コーヒーはネルドリップで丁寧に淹れてありました。美味しかった。コーヒーが自慢だとママは言っていたのだけど、僕はひたすらビールを頼みました。他意はありません。ビールが飲みたかったのです。ビールには柿の種が付いてきます。

    ママは色々なことを話してくれて、その会話の合間にビールを喉に流しこみ、そして次のアルバムが流れ始める。ひたすらそういう時間が流れました。壁一面にポスターが貼ってあり、ジャズメンのサインもありました。小さめのガラスはステンドグラスになっていて柔らかい光が外から静かに入ってきます。カウンターの後ろには大量のジャズのレコードとCD、大きなJBLのスピーカー、天井にはウッドベースが吊り下げられてあります。

    僕は店内のポスターの一枚、そのウッドベース、ジャズメンのサイン(しかも超一流の)店内のほとんどの物に携わるストーリーをママから聞きました。というか、僕がそのものを眺めていると自分から話してくれました。

    僕はまだジャズを聴き始めて3年やそこらで、全然詳しくないし、よくわかっていません。
    僕は正直にそう言ったのですが、彼女は『聞いていて気持ちよければいいのよ』と言いました。
    確か50年お店をやっていると言ってた気がします。もし二十歳で始めたとしても彼女はそのくらいの年齢になる。なんというか、彼女があのお店でその言葉を言うと、もうそれが世界の基準のような気がしました。そういう説得力がありました。あの時の言葉のおかげでジャズが今までより楽しく聞けるようになったような気がします。
    ジャズがわからなくても楽しめると思います。熱海に行く機会があれば是非寄って欲しいです。他には海と温泉くらいしかないですし。
    そうゆうわけで、僕にとって熱海は今年から海と温泉とゆしまになったわけです。
    | Moblile | 13:29 | comments(0) | - | pookmark |
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